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Radeon Vega 64の発熱と騒音を測る

      2017/12/19

前回の記事ではVega64のソフトウェア面での設定についてまとめましたが、今回はハードウェア、特に発熱と騒音について、簡単ではありますが調べてまとめました。

Vega64はどれくらい「熱い」「うるさい」か

非接触温度計で測ってみたところ、消費電力200Wでマイニング時、排気スロットの表面温度は50~60℃にも達することがわかりました。これは、数秒から数分程度さわっただけでも低温やけどの危険がある温度です。

(※ 低温やけどの参考リンク・4ページ目参照:消費者庁 / ゆたんぽでの低温やけどを防ぎましょう[PDF:434KB]

また騒音についても、ファンから約10cm離れた場所で2,300RPMでは61デシベル、3,800RPMでは72デシベル弱でした。これは身近なもので言うと家庭用の掃除機と同じかそれ以上の騒音です。

明らかに「うるさい」と感じる騒音レベルなので、対策の必要性を強く感じました。

(※ 騒音の参考リンク:環境省 / 騒音の目安について [PDF 133KB](出典「全国環境研協議会 騒音小委員会」)

測定機器

非接触温度計と騒音計は、以下の通りです。
いずれも2,000円以下と安価なので、1つは持っていて損はないと思います。

説明 参考リンク
赤外線を使う放射温度計で、測りたい部分に赤外線を当てることで数秒で表面の温度が表示されます。
測定範囲は-50 ~ 380℃、放射率の範囲は0.10 ~ 1.00まで調整できるので、今回のような用途であればこれ1台で十分まかなうことができます。
放射率ですが、今回は「およその温度を測る=数℃の誤差はOK」というスタンスで測定しましたので、すべて初期設定=0.95で測定しています。(電池を入れてそのまま測定トリガーを引いたときの温度)
上記テスターの色違い&ちょっと良いバージョンです。
測定範囲は-50 ~ 550℃と、黄色のものよりもさらに高い温度域を測ることができます。
自動車やエンジン製品の排気部温度測定と兼用したいと思い、私はこちらを選びました。
説明 参考リンク
単4乾電池3本で動く、小型でお手軽なデジタル騒音計です。
測定範囲は30~130デシベル、精度は±1.5デシベル、測定周波数帯は31.5Hz ~ 8KHzなので、今回のような簡易測定であればこれ1台でOKです。
聴感補正はA特性固定のようです。
注意点として、三脚に固定するネジ穴はありません。基本的には手で持って測定します。
上記の騒音計とほぼ同じ性能ですが、こちらは三脚用のネジ穴が空いているので、固定して使うことができます。
ただしこちらは電源が9V乾電池なので、一長一短です。
Amazonのメーカーは「サンコー」になっていますが、OEM元の中国からの直販なのでこの値段のようです。(サンコー・レアモノショップでは5,980円で販売中



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実際に測ってみる

注意点

今回使う非接触温度計は、クラス2の出力のレーザーが使われています。危険ですので照射口を肉眼で覗き込まないようにしてください。

騒音は、(よっぽどないとは思いますが)もし測定結果が80デシベル以上、特に85デシベルを超えていた場合、すぐにでも防音や遮音対策をしてください。騒音性難聴など障害の原因になります。

日本では労働安全衛生規則のガイドラインにより、概ね80デシベルを超える騒音が発生する作業場を事業主は把握・管理することになっています。
また、85デシベルを超える場合は必要に応じ保護具(イヤーマフなど)を使用することが求められています。

(参考リンク:厚生労働省・職場のあんぜんサイト:騒音対策[安全衛生キーワード]

温度測定

測定はとても簡単で、測定トリガーを引くと赤外線のレーザーポインターが出るので、温度を測りたい部分に当てて数秒待つだけです。

今回使った計測器の被写体距離比は12:1なので、もしスポット的に小さい部分を測りたい場合は、測定器をかなり近づける必要があります。例えば、測定円が直径3mmの場合は、×12の36mmまで計器を近づけて測ります。

スロット下端の部分(赤色)、排気風が当たる部分(黄色)を測ってみます。

結果は、赤色の円の部分は約50℃、

黄色の円の部分は約60℃でした。

対策

一番簡単なのは、Wattman設定やMSI Afterburnerを使い、GPUのPL(Power Limit)の数値を下げることです。
手元のVega64の場合、ハードウェアスイッチをセカンダリーモードにしてPL50%にすると、上記箇所の温度は各々36℃、44℃まで下がりました。

その際のGPU-Zは以下のようになります。GPUが50℃、HBM2メモリーが58℃なので、おおむね相関していると言えます。

PLを絞りたくない場合はGPUファンの回転数をあげたり、外部増設する等してエアフローを改善することになりますが、どちらも騒音を増やすことになりますので注意が必要です。

騒音測定

こちらも測定はとても簡単です。測定したい場所まで騒音計を持っていき、測定ボタンを押すだけです。

今回はGPUから約10cmほど離れた場所から、2,300 RPM ~ 3,800 RPM までの500回転刻みで測定しました。

(1) 2,300 RPM

(2) 2,800 RPM

(3) 3,300 RPM

(4) 3,800 RPM

Wattman設定と一緒に表でまとめると以下のようになります。

設定:MIN 設定:MAX ファン回転数[RPM] 騒音[dB]
2,000 4,900 2,300 61.4
2,500 4,900 2,800 68.4
3,000 4,900 3,300 70.7
3,500 4,900 3,800 71.6

手元のVega64(AMDリファレンスファン)は、2,500RPMを超えると明らかにうるさいと感じました。
もしデスクの近くにマイニングPCとして置く場合は、回転数を2,500RPM以下に抑えられるエアフロー作りをお勧めします。

対策

自分が作業する場所が「うるさい」と感じなくなるまで、マイニングリグ or PCを離れた場所に設置してください。
具体的な数字で言うと50デシベル以下、個人的な感覚で言えば48デシベル以下に抑えたいところです。

基本的に、騒音源を離せば離すほど騒音値は減ります。

どれくらい離せば良いかの目安は一概には言えず、手探りになると思います。
求められる計算式はあるものの(参考リンク)、実際にはマイニングリグはCPU、電源をはじめとした複数の騒音源があり、環境の騒音も混じった音が耳に届くからです。

一般に、多くの人が「うるさい」と感じるしきい値は50デシベルと言われていますので、まずはこれ以下に抑えることを目標にしてみてください。

もちろん個人差がありますので、自分が「うるさくない」と感じるまで妥協しないことをお勧めします。
私の場合は50デシベルでは「うるさい」と感じ、48デシベル位まで下げて「これなら大丈夫」となりました。

騒音対策にあたり、以下のサイトが参考になりましたのでリンクを張っておきます。

岐阜市公式ホームページ / 騒音の基礎知識[PDF 133KB]


マイニングは熱・騒音の発生源となるGPUを複数使うことになりますので、通常のパソコンの使用ではほとんど気にしないような潜在的なリスクが表に出てきやすい傾向を強く感じています。

まずはどれくらいの熱や騒音が発生しているかを実際に測り、問題が見つかれば簡単な方法から順番に対策してみてください。

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